
人の身体の約60%を占める水分は補給が必要、でも飲みすぎは大丈夫?
私たち人の身体に一番多く含まれる物質は「水」。成人の場合は、身体の55~60%を水分が占めていて、生命活動をサポートしてくれています。水分が不足すると、のどが渇くだけでなく、めまいや吐き気や食欲減退、ひどいと筋けいれんや失神・ついには命の危機にさらされることも。
そんな人の体に欠かせない水分ですが、飲みすぎはあるのでしょうか?
また、飲みすぎるとどんな症状が起きるのでしょうか?今回は、水を1日に飲みすぎることが体や健康に悪いことなのかについて、ご紹介します。
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水を飲みすぎると「水中毒」に。その症状や対策は?
水を飲むと、血行がよくなり便秘の改善になったり、老廃物が排出しやすくなってダイエット効果も期待できたりします。ただ水を一気に飲んだり飲み過ぎたりすると、体が冷えすぎて消化器官が弱ってしまったり、一気に血液の中のナトリウム(塩分)バランスが乱れてしまい、「低ナトリウム血症・通称「水中毒」を引き起こし、様々な症状を起こしてしまいます。
水中毒になると体がむくみやすくなり、特に下半身のむくみやポッコリお腹、手足の冷えなどを起こします。疲労がなかなか抜けず、口の中がネバネバして虫歯や歯周病などを起こすこともあります。
代表的な症状として、手足のむくみや顔のむくみ、夕方になると靴が窮屈になる、といったむくみが頻繁に起こる場合は注意が必要です。また、胃のあたりに水が溜まっているような感じがする、というのもわかりやすい症状。だるい・頭痛がする・めまいや耳鳴り・嘔吐や、風邪をひいているわけでもないのに、鼻水やくしゃみが出ることもあります。これは、水分代謝が悪いために起こります、
さらに、アレルギー性皮膚炎や喘息などのアレルギー、生理不順なども起こりやすくなります。水を飲み過ぎることで体が冷えてしまい、血流が悪くなることで起こる症状です。血流が悪くなると内臓機能も低下し、体調不良を起こしやすくなるので改善していくことが大切です。
水中毒を改善するには、体内の余分な水分を排出できる体作りが必要です。
定期的な運動は血行不良の改善につながります。
運動をしたり、岩盤浴や半身浴などをしたりして、汗をかくようにしましょう。
また、血行をよくするため、毎日の入浴も大事です。シャワーだけですまさずに、湯船に入り体を温め血液循環をよくしましょう。アロマオイルなどで香りのリラックス効果で、より血行をよくするのもおすすめです。
体を温める食べ物を摂ることも大事です。
ニンニクやショウガ、ネギ、カボチャやニラ、イモ類など、体を温める食材を積極的に摂るようにしましょう。野菜はサラダで食べるよりも、蒸したりスープなどの温野菜と調理するといいです。
また、老廃物を排出しやすくするために、リンパマッサージをするのもおすすめです。
鎖骨の下、脇の下、股関節などのリンパ節をもみほぐしたり、足裏のマッサージをしたりして、リンパの流れを促しましょう。
症状が酷い場合は、できるだけ早く医療機関を受診するようにしましょう。
一日に必要な水分補給の目安は?
飲み過ぎにならない適切な量は、体重などによっても多少は異なりますが、1.5~2リットルと言われています。その量を目安にして水分摂取をしましょう。
欧米の調査によると、1日に必要な水分摂取量の目安は、活発に活動する人で1日3.3〜3.5L、そうでない人で1日2.3〜2.5Lとされています。欧米諸国で水の摂取源は、食物由来がおよそ20〜30%、のこり70〜80%が飲物からであることから、水分補給として1日1.5Lの水を飲むべきだといわれています。
日本人の場合、水の摂取源は、和食など水分含量が高い食事も多いため、食物由来からの摂取割合が欧米諸国とは違う可能性もあります。日本では、水に関して栄養素のような基準値は設定されていません。
1日に必要な水分補給の目安は、1日の水分摂取量・そのうち70〜80%を水分補給として飲むという、欧米の基準を目安にしつつ、定期的に水分を補給しながら、水分不足による体のサインに従うことが必要だといえます。
一気飲みはNG!水の飲み方のポイントはこまめに水分補給!
水分の量だけではなく、水を飲むときに注意したいポイントがあります。
まず、一気に大量の水を飲まないことです。一気に飲むと胃にも負担をかけますし、腎臓にも負担をかけます。消化も悪くなり、むくみなどの原因になります
水は1回にコップ1杯程度を目安として、こまめに摂るのがポイントです。
また、冷蔵庫で冷やした冷たい水を飲まずに、できるだけ常温の水や白湯など飲むことです。冷たすぎると体を急激に冷やしますし、体内に吸収しにくいと言われています。冷たい水よりも一気飲みを防ぐことにも繋がります。もし冷蔵庫の水を飲む場合は、取り出して5分程度置いてから飲むようにしましょう。
水分と塩分のバランスが大切。適切な水分補給で健康に!
今回は、水を1日に飲みすぎることが体や健康に悪いことなのかについてご紹介しました。
健康のためには水分と塩分のバランスが大事です。 そのために適量の水を摂ることが必要ですが、飲み過ぎると逆に塩分バランスが乱れ、体調不良になってしまいます。
運動をしたり夏の暑い日に大量の汗をかいたりした場合は、体内のナトリウムが不足して、水だけでは吸収されないことも。水分補給の際、ナトリウムも入っているスポーツドリンクを飲むのがおすすめです。
- 急に冷たい水を飲みすぎたり、一気に大量の水を飲むと水中毒になることがある
- 一気に飲まず、体が一度に吸収できる250ml・コップ1杯を目安にこまめに水分補給をする
- できるだけ常温や白湯などを飲むようにする
以上のポイントをふまえ、適切な水分補給を心がけましょう!