
赤ちゃんの身体と水分
私たち人の身体に一番多く含まれる物質は「水」。成人の場合は、身体の55~60%を水分が占めていて、生命活動をサポートしてくれています。水分が不足すると、のどが渇くだけでなく、めまいや吐き気や食欲減退、ひどいと筋けいれんや失神・ついには命の危機にさらされることも。
赤ちゃんはどうでしょうか。
赤ちゃんの身体は、大人よりもさらに多い80%も水分が占めています。さらに赤ちゃんは大人よりも発汗量が多く、2倍程度あるとも言われています。そのため赤ちゃんにとって、水分補給はとても大切。
水分が不足すると、すぐに脱水症状を起こしてしまいます。
一方で水分を摂りすぎると、水中毒になる危険もあります。重要なのは、赤ちゃんが水分を必要としているタイミングで飲ませてあげることです。
今回は、赤ちゃんに1日どのくらいの水分が必要か?ミネラルウォーターを飲ませても大丈夫か?についてご紹介します。
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赤ちゃんに必要な1日の水分量は体重1kgあたり100mlが目安
赤ちゃんにあげる1日の水分量の目安は、
体重10kg未満であれば、体重1kgあたり100mlまでです。
この水分量は、母乳やミルクの量も含みます。
母乳やミルクをたっぷり飲む赤ちゃんであれば、水分を与える必要はないといわれています。ただし、夏場など汗の量が多いときは水分を補う必要があります。また下痢や発熱、嘔吐などのときにも多くの水分が奪われています。そのため体調が悪いときにも水分を多めに与えるように心がけましょう。
母乳やミルク以外の水分だけなら、約200〜400mlが望ましいと言われています。1回の量は、20〜30mlまでが目安です。赤ちゃんは喉が潤って満足すれば、自然と口を離します。口の近くに飲み物を当てても、顔を背けるようなら無理に飲ませないようにしましょう。
赤ちゃんは大人よりも水分不足に敏感です。
基本的に赤ちゃんは、水分が足りなくなると「おしっこの回数」が少なくなります。オムツを変えるタイミングでおしっこをしていなければ、水分不足の可能性があります。また、おしっこの臭いや色がいつもよりも強かったら、脱水気味です。
これらのサインが出ないように水分補給をしてあげるのが大切です。
生後4~5ヶ月目まではミルクで十分。ただし赤ちゃんに応じて対応を
赤ちゃんの水分補給は大切です。
ただ、離乳食が始まる生後4~5ヶ月目くらいまではミルクで十分だそう。白湯を飲ませた方がいいという説もありますが、最近ではミルクだけでも十分な水分補給ができるようになりました。
ですが赤ちゃんによっては、頻繁に喉が渇いたり、ミルクを嫌がることもあるでしょう。そういったときは、湯冷ましや赤ちゃん用の麦茶を飲ませてあげるのが良いそうです。
赤ちゃんに、お水やお茶などミルク以外の水分をあげられるのは、生後2ヶ月からです。生後間もない赤ちゃんは、消化器官が発達していないので、お水やお茶を飲むとお腹を壊してしまうことがあります。
とくに、カフェインが含まれているお茶は注意が必要です。
刺激が強いため飲ませないようにしましょう。
離乳食が始まる準備としてお茶やお水を飲ませたい場合は、生後4~5ヶ月目から練習するのが良いでしょう。
赤ちゃんの水分補給に好ましいのは?ミネラルウォーターを飲ませても大丈夫?
赤ちゃんの水分補給には、お白湯とお茶が好ましいです。
水分量だけでなく、内臓に負担のかからない水を与えるようにしましょう。
ミネラルウォーターもあまり良くないといわれています。
お水には、マグネシウムとカルシウムがたっぷり入った「硬水」と、少なめの「軟水」がありますが、赤ちゃんの体に優しいのは「軟水」。赤ちゃんは、内臓が発達していないので、ミネラルが豊富な硬水を飲むとお腹を壊してしまいます。日本のお水は、基本的に軟水ですが、とくに硬度60以下の軟水が最適です。
ウォーターサーバーで軟水のおいしい水を飲む!硬水との違いを説明
ミネラルウォーターなど、マグネシウムなどを多量に含む水分を多く摂取すると内臓に悪影響を与える可能性があります。また水道水にも消毒のための塩素が含まれています。十分な煮沸を行ってから、与えるようにしてください。
水の与えすぎにも注意!赤ちゃんへの水分補給のポイントは
赤ちゃんに大切な水分ですが、間違った与え方をすると体調を崩したり、悪影響がでることも。赤ちゃんに水分を与えるときは、次のポイントに注意しましょう。
水分を与えすぎない
水分を与えすぎると水中毒になる危険があります。水中毒とは、水分の取りすぎで体内のミネラルバランスが崩れた状態。必要以上に水分を与えると水不足になり、下痢や嘔吐になってしまうので注意が必要です
水分の質にも気をつけたい
カフェインは、刺激が強いため体に悪影響を与えることがあります。日本茶の中でもとくに”緑茶”や”ウーロン茶”はカフェインが入っているため避けた方がいいでしょう。
また、糖分を摂りすぎると、血糖値が上がりストレスを感じやすく育つため注意が必要です。乳歯が虫歯になることもあります。赤ちゃん用の”イオン水”も糖分が多く入っているため、下痢や熱が出ているとき以外は与えない方がいいでしょう。
味覚を育てるためには、味がついた果汁よりも無味のお茶の方が好ましいと言われています。おいしい水を飲んで育った子どもは、大人になってもジュースを飲まないと言われているので、子どもの将来を考えると、おいしいお水に変えるのもおすすめです。
夏や水分の温度にも注意しよう
大人よりも早く水分不足の影響を受けてしまう赤ちゃんは、水分補給をするだけでも体力を使います。とくに夏は、授乳するときや水を飲ませるときは日陰や涼しい場所で行うようにしましょう。
また、冷たすぎる水は胃腸を刺激し、お腹を緩くすることも。赤ちゃんに飲ませるお水や麦茶は、人肌くらいの温度にしましょう。
下痢や発熱したときには、効率よく水分が吸収できる”経口補水液”はおすすめです。糖分が含まれている経口補水液は、普段から飲ませるのは避けるべきですが、下痢や発熱したときは脱水症状を防ぐのに最適です。
目安の水分量や赤ちゃんの体調を見つつ水分を調整しましょう
今回は、赤ちゃんに1日どのくらいの水分が必要か?ミネラルウォーターを飲ませても大丈夫か?についてご紹介しました。
- 赤ちゃんの1日の水分量は、体重1kgあたり100mlまで(体重10kg未満)
- あげる水分としては、お白湯とお茶が好ましい
- ミネラルウォーターや生の水道水は内臓に悪影響を与える可能性があるので避ける
以上のポイントをふまえ、1日に与える水分量を目安にしながら、赤ちゃんの体調を見つつ水分量を調節してあげましょう。